天野祐吉「ヘルベルト・フォン・カラヤン」(『私のこだわり人物伝』2008年4月)

■読むきっかけ

  • カラヤン、これまであまり聴いてこなかったが、クラシック界の巨人的存在、いったいその芸術的水準の高さの源泉はどこにあるのか。

■内容【個人的評価:★★−−−】
○第一回「複製芸術の扉を開く」

  • カラヤンの輝かしい成功は、エレクトロニクス技術の進歩と切り離しては考えられない。とりわけLPレコードの発明以来、極めて多くの録音を世に出してきた。それまでと比較してLPの音質は高く、「生の音楽がよい」とする考え方が変わった。そして音楽が大衆化することとなっていった。
  • たとえば落語のCDなどは、ライブ盤の方がよいと思う。それは空気感が伝わってくるからである。「揺れ」も大変楽しい。しかし、音楽はスタジオ録音の方が本当に細部の音まで聴きとることができる。

○第二回「聴かせる指揮 見せる指揮」

  • カラヤンの音はびっくりするほど洗練されている。(例:モーツァルトのディベルティメント)主旋律を際立たせるのでなく、管弦楽の各声部を明らかに歌わせつつ明暗を作っている。
  • カラヤンは指揮をする姿も決まっている。

○第三回「集団創造のマジック」

  • カラヤンの手兵ベルリンフィルと言われるが、カラヤンはオーケストラに細かく指示を与え、オーケストラは一つひとつ返答していく。また指示自体も的確なものだった。

○第四回「誰のための音楽」

■読後感
ベルイマンの「魔笛」はぜひ観てみたい。
Strauss - Radetzky March - Karajan