(株)日本能率協会コンサルティングCS/CRM事業部『図解でわかるコールセンター/ヘルプデスク』日本能率協会マネジメントセンター、2002年9月

■内容【個人的評価:★★−−−】
○プロローグ「コールセンターとヘルプデスク概論」

  • 最初は問い合わせや苦情を受け付ける電話相談室ができ、通信販売が盛んになると受注センターができた。窓口部門の充実に伴いコールセンターという呼び方が一般化した。
  • 一方パソコンの普及に伴い、ヘルプデスクが作られた。
  • コールセンターが営業最前線となり、CSと効率を同時実現することが求められている。
  • 要員にかかるストレスの緩和、評価方法の工夫が必要である。

○1「コールセンターのとらえ方」

  • コールセンターは、顧客の特性や過去の対応履歴を把握しており、このことをふまえた対応ができるという強みがある。
  • また、FAQを活用して商品やサービスの知識を補い、対応できる。
  • コールセンターには以下のようなタイプがある。
    • 1.自前型(運営方針の徹底ができるが高コストとなる)
    • 2.派遣型(コストが安くできるが採用からマネジメントまで負担する)
    • 3.部分委託型(委託会社の運営ノウハウを活用できる)
    • 4.完全委託型(運営コストを安くできるが運営ノウハウは蓄積されない)
  • コールセンターでは、次のような経営の取り組みが必要である。
    • 1.コール需要の予測と要員管理
    • 2.FAQ構築と応答ノウハウの標準化、スキルによるバラツキの最小化
    • 3.モニタリングによるコミュニケータースキルの評価とコーチン
  • 顧客の相談内容をいち早く理解し的確に回答するというアンサースキルの向上が求められている。

○2「コールセンターの配役」

  • スーパーバイザーの仕事の一つにコミュニケーターのヘルプがある。内容的には以下のコールが該当する。
    • 1.高度、専門的、例外的な内容
    • 2.クレームへの対応
  • エスカレーションされてスーパーバイザーの元へ届くので、コミュニケーターは内容を正確、簡潔にスーパーバイザーへ伝える。
  • コールセンターへ電話をかけてくる顧客は困っていたり、怒っていたり、と多くはネガティブな状態にある。マインドの向上がないとコミュニケーターは対応できない。
  • 新人コミュニケーターを対象とした教育は、マインド面、知識面、技術面からなる教育メニューを作り上げる。終了後も必要に応じ勉強会を行う。
  • FAQを実績と予測に従い作成し、こまめに改訂したい。頻度の高い項目であるかどうか、的を射た回答になっているかどうか。顧客の生の声のままでなく、きちんと使いやすくする。
  • センター長の役割は以下のとおり
    • 1.コールセンターの使命と役割の明確化
    • 2.方針・目標の設定
    • 3.指標管理による全体把握と必要な支援

○3「指標管理」

  • 運営の実態を確認するためにいくつかの重要な指標を参考にしたい。
  • CS向上のための指標としては以下の通り
    • 1.センター応答率
    • 2.コミュニケーター応答率
    • 3.SV転送率
    • 4.折電率・保留率
    • 5.標準時間内応答率
    • 6.商品・サービス知識習得率
    • 7.問題解決率
  • 効率向上のための指標としては以下の通り
    • 1.1コールあたりコスト
    • 2.コミュニケーター稼働率
    • 3.一人1時間あたり平均応答件数
    • 4.1件あたりの平均応答時間
  • 要員配置はオフに合わせ、ピークは増員により対応する。

○4「お客さまの声を活用する」

  • インタビュー&ライティングスキルによりわかりやすく

○5「応答スキル管理を行う」

  • モニタリングによりコミュニケーターが自己管理するとともにスーパーバイザも管理する。

○6「コミュニケーターの育成の仕方」

  • マインドの高い人材を採用することがスキルの高さにもつながる。
  • 習得する知識は以下の通り
    • 1.自社商品・サービスに関する知識
    • 2.自部門・関連部門の業務知識
    • 3.ライバル商品との比較知識
  • 習得する技術は以下の通り
    • 1.アンサースキル
    • 2.インタビュースキル
    • 3.ライティングスキル

○7「先進コールセンターの取組みと問題意識」

  • コールセンターの乱立でオペレーターの人材不足が問題となっている。
  • オムロンは事業の中核にコールセンターを置いた。

○8「ヘルプデスクの機能」

  • ヘルプデスクの扱う問題
    • 1.システムサポート部門
    • 2.メーカーのユーザーサポート
  • 持ち込まれる問題は以下の通り
    • 1.障害の解決
    • 2.方法
    • 3.作業