七海友信『歌舞伎・文楽の見方が面白いほどわかる本』中経出版、2003年4月
- 作者: 七海友信
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2003/04
- メディア: 単行本
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○序章「歌舞伎と文楽の世界へようこそ」
- 開演の30分前には着いておこう。乾燥するので飲み物があった方がいい。ドレスアップしてくる客もいるが普段着で大丈夫。
- 玄関の両サイドにある絵看板を見て欲しい。右側が昼の部、左側が夜の部である。絵看板のうえに季節のデコレーションが施されている。
- 幕が開いてから着席するのはレッドカード、一発退場もの。
- 仮名手本忠臣蔵(七段目、祇園一力茶屋の場):廓の華やかな場面。決して中身を知られてはいけない手紙をお軽と九太夫に読まれてしまった。由良之助は二人を殺さなくてはならなくなるが、仇討ちに加わりたいお軽の兄平右衛門は、お軽に九太夫を斬らせ、自分は泣いてお軽を斬る。
- 菅原伝授手習鑑(寺子屋):せまじきものは宮仕え、など
- 義経千本桜(川連法眼館の場(四の切)):狐忠信の狐言葉やケレン(早替わり)が見もの
- 一條大蔵物語
- 本朝廿四孝(十種香)
- 東海道四谷怪談
- 籠釣瓶花街酔醒(通称:籠釣瓶)
- 雪暮夜入谷畦道(通称:入谷)
- 助六由縁江戸桜:登場人物の化粧が美しい。絢爛豪華。主人公は50分経ってようやく現れる。2時間三浦屋店先から場面が変わらないが飽きさせない。登場人物のプライドが伝わってくる。
- 勧進帳:日本人の理想像
- 三味線にはジャンルが四つある。
- 黒御簾音楽(下座音楽):BGMとなる。
- 義太夫:ナレーターの役目
- 歌舞伎舞踊、日本舞踊、同じ作品を踊ることもある。女方の舞踊としては、娘道成寺、鷺娘、藤娘が有名。
- 獅子物、道成寺物などが有名。道成寺物はすべて安珍清姫伝説を題材にしている。
- 舞踊については分かりにくいという人も多いようだ。いろいろと表現をしているので予習をするもよし、肩の力を抜いて見るもよしというところか。
- だんまりと宙乗り、江戸人の宇宙観を示している。だんまりでは何人かの役者が暗闇の中で宝物や証拠の品をとりあう。これは、変えてはいけない演出。いっぽう宙乗りは江戸時代から行われていた。一度歌舞伎から否定されたもの。
- 歌舞伎は「昼の部」「夜の部」というが文楽は「第一部」「第二部」という。
- 大体3〜4時間の公演となる。
- 開演の15分前には幕開き三番艘が見られる。神聖さや公演の無事を祈るもの。
- 定式幕は歌舞伎とは逆で左から右に開く。
- 盆に乗って太夫と三味線弾きがあらわれ、口上を述べる。
- ナマの文楽を見て驚いた。太夫の語りが熱演であること。音のボリュームもあり。人形も想像より大きい。
- 文楽の語りは、マクラと呼ばれる冒頭がゆっくりで段切と呼ばれるラストの部分は速いスピードで進む。
- 現代演劇の演出家による再創造も行われている。