大塚英志+東浩紀『リアルのゆくえ』講談社現代新書、2008年8月

■内容【個人的評価:★−−−−】

  • この10年くらい思い、やってきたのは、物を書くためには引きこもらざるを得ない、ということです。人間関係を絶っていかないといろいろなものに流されてしまう。(大塚)

○第一章「2001年−消費の変容」

  • 自分たち(1971年生まれ)は団塊世代のコピーだと思っている。(大塚)

○第二章「2002年−言論の変容」
○第三章「2007年−おたく/オタクは公的になれるか」

  • ネットの出現で情報発信能力が民主化され、特定の人たちが情報を独占することで成立していた教育や報道のシステムが機能しなくなった。恨みごとや嫉妬がネットワーク化されているため、公民という意識は成立しない。(東)
  • 今やブログでこれまで見えなかった人の私生活が見えるようになった。みんなどこで何を食べたとか書いている。(東)
  • 柳田國男が予見していたような近代、民主主義のリスクがネットによって加速化されているのではないか。(大塚)

■読後感
両者とも1980年代の現代思想に立脚していることは分かるが、対談形式のためかバックグラウンドの説明がなく、何度か読み返してみても論旨が不明だった。
知っている人は分かるが、知らない人にはまったく分からないという話が延々とつづく、これもオタク文化か。
「決裂」で終わっているところが他の対談とは違うところか。