石原千秋『未来形の読書術』ちくまプリマー新書、2007年7月
- 作者: 石原千秋
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/07
- メディア: 新書
- クリック: 21回
- この商品を含むブログ (45件) を見る
- 落ち着いて本が読める、とはどういうことだろうか。それは周りが気にならないということだ。しかし、騒がしい電車の中がもっともよく落ち着ける場所であるということなどもあり、よく考えると、自分を忘れて本に没入できる、ということがもっとも大切なのだとわかる。
- 本をもっとも集中して読むのはいつか?それは本屋で立ち読みをしているときである。では、そのときどうすると買おうとするのか?それは「読めばわかる」と思うからであり、そうした認識を持ちうるのは、自分とはどんなものかを知っているからでもある。
- 読書には知らないことを知るという未来形の自分を求めてのものもあれば、過去形の自己確認のための読書もある。
- 小説というものは、いわば穴ぼこだらけで適度に省略を行っている。これにより読者は自分ですき間を埋めることになる。
- 評論をなぜ読むのか?それは知らないこと、分からないことを知りたいし分かりたいからだ。
- 教養という言葉は二つの意味がある。
- 1.知識の量
- 2.物事を考える座標軸をたくさん持っていること
- 評論は、この二つ目の教養に関連している。