岩波書店編集部編『いま、この研究がおもしろいPart2』岩波ジュニア新書、2007年11月

いま、この研究がおもしろい〈Part 2〉 (岩波ジュニア新書)

いま、この研究がおもしろい〈Part 2〉 (岩波ジュニア新書)

■内容【個人的評価:★★★−−】
○「交渉の理論と方法を学ぶ《法社会学・法交渉学》太田勝造」

  • 相手の心を読む「パトナ(最善代替選択肢)」という方法がある。
  • このほか、洗脳、だましのテクニックなどがある。

○「学校へ行く意味を考える《アフリカ研究》山田肖子」

  • アフリカでは教育が普及していない。このことが社会を改善する動きの鈍さにつながっている。

○「人の心の「なぜ」に迫る《交通心理学》吉田信弥」

  • 自動車事故を研究することは人間を研究することでもある。

○「家族の日常生活を学問する《社会学》品田知美」

  • 人間はたった50年ほどの間に多くの家電製品に囲まれて暮らすようになった。しかし生活時間の面では相変わらず貧乏な状態が続いており、家事時間も減っていない。

○「病気の原因を追及する−医学は科学か?《疫学》津田敏秀」

  • 公害病の患者を多く見てきた。疫学や公衆衛生の仕事を通じ、メカニズム、因果関係をとらえることに力を入れてきた。

○「日本語を分析する《国語学木田章義

  • 日本語の変化はそれほど大きいとは言えないのではないか。源氏物語で使われている基本的な言葉は現在でもそのまま使われている。

○「大空間構造から地球環境建築へ《建築構造》岩田衛」

  • 柱のない大空間構造をトラスを通じて実現している。

○「敦煌写本のおもしろさ《敦煌学》高田時雄

  • 敦煌には仏教経典の写本が多く残されている。当時の言葉が分かる貴重な資料である。

○「色彩を通じて環境を変えていく《環境色彩研究》山本早里」

  • 国は2004年の景観法の制定によりようやく景観重視の方向を打ち立てた。
  • 学生当時ヨーロッパを回り、街並みの美しさに感じ入った。
  • 色彩には意味付けがある。ガイドラインをつくるこころみもある。地域の特性を色彩を通じて実現している例もある。

○「現場の教えに学ぶ《発展途上国研究》中西徹」

  • フィリピンのスラムに住み込み研究したり、買春観光の実態を調査してきた。

○「ナメクジウオから生命の不思議をさぐる《海洋生物研究》窪川かおる」

  • 脊椎動物の祖先に当たる。その研究を通じ、日本の環境の変化もわかってきた。