早乙女勝元『生きることと学ぶこと』岩波ジュニア新書、1997年9月
- 作者: 早乙女勝元
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1997/09/22
- メディア: 新書
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○「〈問題提起1〉人は何のために学ぶのか?」
- 最近、自殺やいじめ死が多い。これは大人社会のありようと関連している。生への執着が薄かったのではないか。
- 昔の子供たちは、風呂炊きなどさまざまなことを身体で覚えた。しかし、今の子たちはすべてワンタッチで事足れりとなっている。
- いじめられている子を見殺しにしている。ほんの少し勇気を出したり、職員室に知らせることすらできていない。人間にふさわしい教育ができていない。
- 朝鮮戦争時、あれだけわれわれに火の雨を降らせたB29が朝鮮への無差別爆撃に日本本土や沖縄から飛び立ち、またその兵站を提供している。そして特需だと浮かれている、こんなことがあっていいのかと暗澹とした。
- 自分史を書くことにより、これからの方向性を確認したり、平和の重要さを訴えることができると思い、取り組んだ。そして十代で『下町の故郷』という書物を書き、好評を得た。しかし、社会における経験が必要と思い、工場を転々とした。工場ではあまりにも単純で過酷な労働に精神的にも追い詰められた。