富岡儀八『塩の道を探る』岩波新書、1983年9月
- 作者: 富岡儀八
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1983/09/20
- メディア: 新書
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○「はじめに」
- 近世日本の陸上交通路は、海岸に沿った縦貫路と山脈を越え山をぬう横断路に分けられる。塩の道は、横断路の根幹をなし地域の幹線路として社会的・経済的に大きな意味を持った。
- 塩の道と地域の形成は密接に関連しあっている。
- 塩は生活必需品であるため、どんな山間僻地へも万難を排して運び込まれた。
- 製塩法は、岩塩や塩湖などを利用する内陸塩と海水からとられる海塩とに大別できる。
- 日本では、海水を濃縮し、煮詰めて塩をとる方法から塩田法へと移行していった。満潮時よりも高いところに築く「揚浜式」が主流であったが、海水を塩田までくみ上げる不便さがあり、「入浜式」(瀬戸内・九州)に移行していった。これは近世のはじめころから始まり、急速に全国に広がった。
- 一方、山塩は会津の熱塩など一部の地域で生産されてきた。
- 昭和42年に従来の塩田法からイオン交換膜法に転換された。赤穂の塩田も昭和46年12月に完全に廃田化された。