成相秀一・細谷暁夫『宇宙の起源』講談社、1983年1月
宇宙の起源―宇宙と物質はいかにして生まれたか (ブルーバックス (B‐538))
- 作者: 成相秀一,細谷暁夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1983/07
- メディア: 新書
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○第一章「火の玉宇宙論の確立」
- アインシュタインは、1905年に特殊相対性理論を構築したが、これは物質を構成する素粒子を説明するのに不可欠な理論となっている。その後の10年間は、ニュートンの万有引力理論を、長所はそのまま引き継ぎ、特殊相対性理論と矛盾が生じないように変更することに力が注がれた。
- 1917年にアインシュタインは自身の一般相対性理論に基づき、宇宙の時空構造を解明しようとした。さらに宇宙膨張に関するフリードマンの理論的研究とハッブルの観測的研究を経て、第二次大戦後には大局的に見た宇宙は、物質分布が空間的に一様性・等方性を保ちつつ、ハッブル法則に従って膨張を続けているという構造で理解されるようになった。
- 当時、ボンジ、ゴールドによる定常宇宙論と、ガモフによる火の玉宇宙論による論争があり、1964年には宇宙から降り注ぐ2.7度Kの黒体ふく射が発見され、これはかつての宇宙初期の火の玉の名残であることが分かった。
○第三章「銀河および銀河団の形成」
- 銀河ないし銀河団が形成されるには、火の玉宇宙のある時期にかなり大きな密度ゆらぎ、あるいは渦ゆらぎが存在したはずである。それにより原始的な天体が形成されたはずである。
- 軽い元素は宇宙の初期に、重い元素はずっとあとになって星の中で水素とヘリウムを材料に作られた。
- ビッグバンのときに、宇宙は1000億度であった。これが一秒後に100億度まで下がり、ニュートリノが後退する宇宙に追いつき、宇宙空間へのはてしない旅を始める。3分後には元素の合成が始まった。
○第六章「宇宙膨張の始まり−宇宙の特異点−」
○第七章「初期宇宙における粒子対生成とその反作用効果」