山崎永日『データベースの知識』日本経済新聞社、1986年9月

データベースの知識 (日経文庫)

データベースの知識 (日経文庫)

■内容【個人的評価:★★★−−】
○まえがき

  • 限られた一生のうちにできるだけのことをしたいと思えば、自分の知識や体験だけでなく、身の回りや先人の残したことから、自分のためになる情報を可能な限り選び出し、自分なりに料理する必要がある。これはいわば文明の再生産であり情報の処理の本来の姿といえるだろう。情報の処理においては、必要なものと不必要なものの分類、あるいは整理や配列の工夫などに、人それぞれのアイデアや個性がにじみ出てくる。

■振り返り(2017/02/19)

  • 先人の知恵や経験をデータベース化するというのは、簡単そうに見えて難しい。「自分なりの料理」とは言うけれど、自分自身の関心など定まったものではなく、あらゆる判断にこれを適用するのは現実離れしている。
  • また、格言のようなものであればいざ知らず、データが膨大になればなるほど、今の自分が必要とする情報に構成しなおすことが困難ということがある。
  • 自分が作成に関与していないデータベース(書籍なども含む)からまったく新規に得ることもないわけではないが、一定の年齢に達すれば、他者の経験ではなく自分の経験、自分が取り組んだところに足を置いて考えることが出発点になるのではないか。
  • 一方、ビッグデータは着々と整備されつつある。最近では、一昨日、必要な文献のコピーを得るため国会図書館に行った際に、昔の貸し出し式も併用しながらではあるが、利用者はほとんど端末を通じて自分の必要とする文献を検索・印刷等しており、データベースの検索の力に驚いたということがあった。これは全く無視できないテクノロジーである。