中尾佐助『栽培植物と農耕の起源』岩波新書、1966年1月

栽培植物と農耕の起源 (岩波新書 青版 G-103)

栽培植物と農耕の起源 (岩波新書 青版 G-103)

■内容【個人的評価:★★★−−】

  • 文化というと芸術、美術、文学などを思い浮かべると思うが、原義は「耕す」ことである。

○1「栽培植物とは何か」

  • 野生種と栽培種を比較すると、野生種は栽培種に比べやせている、触るとすぐに種子が脱落してしまう、という特徴を持つ。

○2「根栽農耕文化」

  • バナナは最も重要な果物であり、マレー半島からおこった。野生種は、味も香りもよいが、種だらけで食べられない。
  • このほかヤムイモ、タロイモ、サトウキビが重要な作物である。
  • 根栽農耕文化は、腹一杯食べることには成功したが、マメも油料作物もなく、栄養的によくない。魚をとることが必要になる。

○3「照葉樹林文化」

  • ワラビ、コンニャクヤマノイモ、シソ、カイコ、ウルシ、ミカンなどが特徴である。
  • お茶、酒(麹)=穀類のでんぷんをかびの力で糖化するが特徴的である。

○4「サバンナ農耕文化」

  • 雑穀類=ヒエ、キビ、トーモロコシ、マメ、油料作物がある。

○5「イネの始まり」

  • イネは湿地の雑穀である。オカボはヒエに近い。

○6「地中海農耕文化」

  • 一番の特徴はムギである。

○7「新大陸の農耕文化」

  • キャッサバ、サツマイモ、ジャガイモが特徴。