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リチャード・モリス『宇宙の運命』講談社ブルーバックス、1982年10月

宇宙の運命―新しい宇宙論 (ブルーバックス (B‐516))

宇宙の運命―新しい宇宙論 (ブルーバックス (B‐516))

■内容【個人的評価:★★★−−】
○第一章「宇宙は開いているか、閉じているか」

  • ニュートンは、1692年の書簡で宇宙を開いたものとして捉え、中心はなく、いろいろなところから引き合ってつり合いを保っていると考えた。一方、天文学者エドモンド・ハレーは、もし恒星の数が無限にあるとすれば、夜空も太陽のように明るくなるはずだから、宇宙は無限ではないと考えた。
  • 今日の科学者は、宇宙が無限か、有限かという話をしない。かわりに開いているか、閉じているか、という。
  • 宇宙が閉じているなら、マゼランが地球を一周したように、宇宙船に乗り込んで宇宙を一周することもできるはずである。幸か不幸か、アインシュタイン理論によると、宇宙はそれよりも早く壊れることになっている。
  • 閉じた宇宙に「外」はない。宇宙はすべての空間と時間を含んでいる。
  • 一般相対論の出された1915年から1960年代の終わりまでに、およそ100にものぼる重力理論がうちだされた。しかし、科学の法廷に新証拠がもちこまれるたびに、裁判に勝ったのはいつもアインシュタインであった。ニュートンの重力の法則は、アインシュタインの理論にとってかわられてしまった。しかし、ニュートンの重力の法則は、たとえば木星土星の軌道を計算するにはパーフェクトなものだ。一般相対論は数学的にもっと複雑だが、ニュートン力学に対して無視できる程度の補正値しかもたらさない。

○第二章「赤方偏移

  • アインシュタインは、最初宇宙は閉じているとする論文を発表していたが、1929年にアメリカの天文学者エドウィン・ハッブルが、宇宙は静的なものではなく、急速に膨張しているという発見を発表し、アインシュタインは論文を訂正する破目となった。
  • 対象が遠ざかるにつれて波長は長くなる(ドップラー効果)。光は波長の長い赤方に偏移する。観察の結果として、莫大な数の銀河が赤方偏移している。
  • ただし青方に偏移している銀河もある。銀河と銀河は固まっており、遠ざかっているのは銀河群である。

○第三章「ビッグバン」

  • アインシュタインの式E=mc2によれば、物質とエネルギーは相互に変換できる。もし、エネルギーがあれば、物質は空っぽの空間からも生まれてくる。
  • 宇宙が膨張をはじめて数分後に温度は10億度まで落ちた。宇宙が十分に冷え、3000度になって安定した原子がやっと存在しうるようになった。それまでに実に70万年が経過した。不透明だった宇宙が、この時点でとつぜん透明になった。電子が原子核にしばられるようになり、光が自由に行き来できるようになったからだ。
  • 宇宙のおよそ25%はヘリウムであると推定される。ビッグバン説によると、膨張が始まってほんの二、三分のあいだに、宇宙の物質の20〜30%がヘリウムに変換された。
  • 1970年代の半ばまで、天文学者はまだ宇宙は閉じていると考えたがっていた。有限宇宙が好まれるのは、一部、哲学的先入観のせいであり、「無限」となると、人は何を仮定するよりも多くの問題を抱えることとなる。また、人はやがて宇宙が死ぬとは考えたくもないのだ。

○第四章「失われた質量」

  • ビッグバン説には大きな欠陥があった。どうして星や銀河ができたのかが説明できなかったのだ。

○第五章「ブラックホール
○第六章「つかまえにくい粒子」
○第七章「宇宙の運命」

  • 星は宇宙の質量のほんのきれはしにすぎない。星間物質や、ニュートリノには、おそらくもっと大きな質量があるはずだ。

○第八章「ほかの宇宙」

  • 条件さえそろえば生命は必ず発生するとたいていの科学者は考えている。地球のような条件を備えた星は無数にあると考えられる。

○第九章「アインシュタインの神・ゲーデルの証明・聖オーガスチンの毒舌」