近藤誠『それでもがん検診うけますか』ネスコ、1994年11月

それでもがん検診うけますか―専門医が教える本当の話

それでもがん検診うけますか―専門医が教える本当の話

■内容【個人的評価:★★★−−】
○第一章「がん検診・百害あって一利なし」

  • 検診を受けない場合、万一がんがあったら、そのがんはほうっておかれることになります。がんには、ほうっておいても天寿をまっとうできる「のんびりがん」や、自然に消えてしまう「消失がん」もあります。これらのがんは、切除する必要はありません。

○第二章「がん検診にはこんな危険がひそんでいる」
○第三章「日常化したがん検診の見落としと誤診」

  • 逸見さんは毎年人間ドックで胃の内視鏡検査を受けていました。しかし胃がんが発見されたときにはすでに進行がんとなっていました。結論を先にいうと、逸見さんの胃がんは、一年に一度の検診では発見できないほど成長スピードが早かったようです。逸見さんは胃がんが腹膜に転移して死亡しましたが、腹膜転移が生じた時期を計算してみると、検診で胃がんが早期発見できる以前にすでに転移が生じていたようです。
  • 臓器を切除してみたら、がんがなかったということがあります。

○第四章「がん検診が人の心にもたらすストレス」
○第五章「がん検診の有効性を否定する」
○第六章「根拠のないがん検診がどうしてここまで広まったのか」
○第七章「それでも検診をあきらめきれない人のために」

  • いくら検診を避けていても、症状があれば検査を受けるわけですから、がんが発見されてしまうことがあります。そのときは、胃なら内視鏡的検査のように、なるべく小さな楽な治療にしてもらいます。