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蓮見圭一『水曜の朝、午前三時』新潮文庫、2005年11月

水曜の朝、午前三時 (新潮文庫)

水曜の朝、午前三時 (新潮文庫)

■内容
主人公の直美は知的な環境に育ち、旧い結婚感には反発を抱いている。尊敬はしていても男性として魅力を感じられない許婚者と結婚することなど考えられない。そうした本当の気持ちとは裏腹に周りがやんわりとことを進めていく。そんな状況を裁ち切るために、東京を離れ大阪万博のコンパニオンとなる。

直美は、そこで出会った男性と愛し合う仲となる。しかし、その恋愛には民族問題の陰が差していた。

最終的にはまったく別の新聞記者と結婚するが、その生活においても、夫が会社人、組織人でしかなく、自らについて本質的には何も考えていないことを見て、失望を隠せない。

■読後感
直美のように、自ら状況を切り開く力を持った女性であっても、求められる性であるということ、そして女性はこうすべきという社会通念は当然のようにある。
自らに真剣に向き合っている女性ほど、男性よりはるかに葛藤がついてまわるものなのかもしれない。