永井荷風「銀座」(『荷風随筆集(上)』岩波文庫、1986年9月所収)

荷風随筆集 上 日和下駄 (岩波文庫 緑 41-7)

荷風随筆集 上 日和下駄 (岩波文庫 緑 41-7)

■内容
荷風が明治末頃の銀座での観劇や食事、人々の生活や建築などについて綴ったエッセイ

■読後感
当時から銀座という場所が、特別な場所であったということがわかる。(「銀座界隈は日本中で最もハイカラな場所である」)
西洋文明を輸入しつつも、それに日本風のものを融合させていくという文化が生まれた土地でもあったようだ。
また、一方で人の暮らし(物干し台、行水など)が色濃く残っていたことも伝わってくる。
帝国劇場、帝国ホテル、歌舞伎座交詢社、プランタンや金春通りといった今でも銀座(や日比谷)に名をとどめている名前が登場してくるところも面白い。