幸田真音『財務省の階段』角川書店、2011年7月
- 作者: 幸田 真音
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/07/26
- メディア: 単行本
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国会、財務省、日本銀行、民間銀行などで行われている経済活動などを題材に、事故・事件、怪奇現象をエピソードとして盛り込んだ著作。
■読後感
舞台が歴史的な建造物や常人には思い及ばないほどの巨額のディーリングを行ってきた場所であるほど、こうしたミステリーが似つかわしいのかもしれない。幸田さん得意の経済小説を、ミステリーをスパイスにして語る作品集だった。
お金と実生活が乖離した現代社会における経済小説は、今後どうなっていくのか。
対比するだけでなく、その馬鹿馬鹿しさと危うさ、奇形ぶりを書く(慨嘆するのでなく、どう影響を相互に与えあい、どうあって然るべきなのかを語る)小説が読みたいと思う。いまだに学歴と大金を取り扱いことをもってエリートとするのはバブル時代の発想で、現代社会にはそぐわなくなっているようにも思える。