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幸田真音『財務省の階段』角川書店、2011年7月

財務省の階段

財務省の階段

■内容
国会、財務省日本銀行、民間銀行などで行われている経済活動などを題材に、事故・事件、怪奇現象をエピソードとして盛り込んだ著作。

■読後感
舞台が歴史的な建造物や常人には思い及ばないほどの巨額のディーリングを行ってきた場所であるほど、こうしたミステリーが似つかわしいのかもしれない。幸田さん得意の経済小説を、ミステリーをスパイスにして語る作品集だった。

お金と実生活が乖離した現代社会における経済小説は、今後どうなっていくのか。
対比するだけでなく、その馬鹿馬鹿しさと危うさ、奇形ぶりを書く(慨嘆するのでなく、どう影響を相互に与えあい、どうあって然るべきなのかを語る)小説が読みたいと思う。いまだに学歴と大金を取り扱いことをもってエリートとするのはバブル時代の発想で、現代社会にはそぐわなくなっているようにも思える。