松岡正剛(2009)『多読術』ちくまプリマー新書
- 作者: 松岡正剛
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/04/08
- メディア: 新書
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◇まずは、本の内容を目次から想像してみること
- 目次を見て、ごくごくおおざっぱでいいから、その本の内容を想像するというのが大事なんですね。わずか三分程度のちょっとしたガマンだから、誰でもできる。そうしておいて、やおらパラパラとやる。(70ページ〜71ページ)
◇気になることがどこに書いてあるかを想像してみること
- ひとつには、自分の気になることがテキストの”どの部分”に入っているのか、それを予想しながら読むということです。この、「予想しながら」というところがとても大事ですね。もうひとつは、読書によって読み手は新たな時空に入ったんだという実感をもつことです。そのことを読みながらリアルタイムに感じることです。この「リアルタイムに感じる」ということが大事です。読んでいる最中に何を感じたかも、マークしておきたい。(82ページ )
◇同じテーマを持った関連書籍と併せ読むことの効用
- もともと本は左右三冊ずつの並びをもって、書棚のなかで右にも左にも数珠つなぎにつながっているんです。これがそもそもの書物たちのスタンディング・ポーズです。基本セットです。(118ページ)
◇自分なりの解釈に基づいて本棚に本を並べよう
- 自分の蔵書本棚を編集するわけですが、これはできるだけ「表向きの分類」にしないほうがいいですよ。(121ページ)
◇速読に囚われては読書の意義が失われる
- 速読にとらわれるのがダメなんです。どんなテキストも一定の読み方で速くするというのは、読書の意義がない。それって早食い競争をするようなものですから(笑)。(124ページ)
◇「語り」につながるような教養を身に着けよう
- 大学からも教養課程がなくなっているし、どうもリベラルアーツを軽視する傾向があるね。そのくせ漢字クイズや歴史クイズや、観光地の検定が流行する。これは「○×の知」にはいいかもしれないけれど、人間にとって一番たいせつな「語り」にはなりません。(148ページ)
◇書物は単独では存在しえない、必ずつながりがある
- 本来、書物や知は人類が書物をつくったときから、ずっとつながっている。書物やテキストは別々に書かれているけれど、それらはさまざまな連結と間断と関係性をもって、つながっている。つまりテキストは完全には自立していないんじゃないか、それらの光景をうんと上から見れば、網目のようにいろんなテキストが互いに入り交じって網目や模様をつくっているんじゃないかというんです。(151ページ)
◇本のネットワークと、その中で光を放つ一冊
- 何かたくさんの本とネットワークしていく可能性をもった、いわば「光を放っている一冊」というものが必ずあるんですね。それをぼくは「キー本」とか「キーブック」と呼んでいるんですが、このキーブックをもとに読み進むのが、三つ目の複合読書法です。(152ページ)
◇仕事ばかりでも、読書ばかりでもダメ
- 自分で決めてきたことは、だからといって読書三昧の日々にはしないで、断乎として仕事は続けるということです。それも仲間とともに進める。一人ではなくてね。そして、仕事でいかに時間がとられようと、それでも読書をはずさないと決めた。そうやって、どんなときも、愉快なときも悲しいときも、調子のいいときも調子が悪いときも本を読むというふうにしてきたわけです。(162ページ)