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出口治明『本の「使い方」』角川oneテーマ21、2014年9月

■内容【個人的評価:★★−−−】

◇教養とは何か

  • 教養はたくさん身に付けるべきですが、それは必ずしも、量を問うているわけではありません。私は、教養は、言葉を替えれば、人間の「精神のあり方」であり、その人の人生に対するスタンスだと考えています。(27ページ)


◇では教養をどのように身に付けるのか

  • 島崎藤村が「本を読んだり、話を聞いたりして得る知恵」「他人との交流を通して、人から得る知恵」「実際に体験して得る知恵」を三智と呼んだように、私も、
    • 「人」から学ぶ
    • 「本」から学ぶ
    • 「旅」から学ぶ
  • の3つ以外に、教養を身に付ける術はないと考えています。(29〜30ページ)


◇新しい分野の勉強を始めるときのマイルール

  • 私の場合、新しい分野の勉強を始めるときは、
    • 1関連書籍を「7〜8冊」手に入れる
    • 2「厚くて、難解そうな本」から読み始めて、輪郭をつかむ
    • 3最後に「薄い入門書」
    • 4本で学んだあとは、
  • を読んで、体系化する実際に体験してみるというマイルールを決めています。そして、一旦マイルールを決めたら、あとは迷いません。ルールのとおり行動するだけです。(77〜78ページ)


◇古典がビジネス書よりも優れている理由

  • 古典は、どうして現代のビジネス書よりも優れているのでしょうか。その理由は、大きく4つあると思います。
    • 1時代を超えて残ったものは、無条件に正しい
    • 2人間の基本的、普遍的な喜怒哀楽が学べる
    • ケーススタディとして勉強になる
    • 4自分の頭で考える力を鍛錬できる (81〜82ページ)


◇現代の本を選ぶときのマイルール

  • 古典と違い、毎日山ほど出版される本(毎日約200点)の中から、私は、次のようなマイルールを決めて本を選んでいます。
    • 1興味のあるジャンルの本を選ぶ
    • 2「目に飛び込んで来た本」を手に取る
    • 3立ち読みをして、「最初の5ページ」で決める
    • 4新聞3紙の「書評欄」を見て、ムラムラとした本を選ぶ
    • 5基本的に「作者」は気にしない
    • 6「SNS」を使って、人に聞く方法もある
    • 7「ベストセラー本」は読まない (103〜104ページ)


◇本はゆっくり読んでも2〜3時間で読み終えることができる

  • 急いで本を読む必要はまったくありません。私は1文1文、1字1句納得できるまで丁寧に本を読み込んでいきます。速読やナナメ読みをしなくても、一般的な200ページほどの単行本なら、2〜3時間で1冊を読み終えることができます。(132ページ)


◇自分が面白いと思ったことを言語化しておくこと

  • 人間は、言葉を使って物事を考えます。人聞は言葉で考えるように訓練された動物です。自分が感じたこと、腹落ちしたことは、言語化して初めて整理できるのです。したがって、本や人から得た情報を脳に焼き付けておくには、言語化する必要があります。インプットとアウトプットはコインの表裏です。インプットししたものは、アウトプットしてこそ、記憶に留めておくことができます。アウトプットとは、言語化することです。本を読んだら「自分はどうしてこの本をおもしろいと思ったのか」を言語化しておくと、本の内容を頭の中に取り入れることができます。(156ページ)

■読後感
副題には「1万冊を血肉にした方法」と銘打ってあり、著者の取り組んだ読書がきわめて広範なものであることをうかがわせる。人生3万日として、1日1冊としても1万冊は大変なことだ。
血肉にする方法としては、まずは自分の目を信じ、良書を選択してじっくり読み、その内容を人に話したり書いたりということのようだ。