恩田陸『蜜蜂と遠雷』幻冬舎、2016年9月
■読後感
国際的なピアノコンクールを舞台として、4人のコンテスタントに焦点をあて、コンクールに向かい合う中で成長していく姿を描いている。
この作品は、ストーリー展開が「次は、次は」と思わせるもので、コンクールを通して、人間と音楽に向かいあっていく姿がひたむきで、かなりの厚さではありますが、最後まで読み進むことができます。
著者は、中村紘子さんの『チャイコフスキー・コンクール』を読み、ストーリーを組み立てるにあたって参考にしているのではないかしら、と思われました。これまでの名だたる演奏と比することができればさらに面白かったかもしれません。