米原万里『米原万里ベストエッセイ(1)』角川文庫、2016年4月

 

 ■読後感

軽妙な語り口で、自身の仕事である同時通訳や、この仕事を通じて見えてくる国民性などをユーモアや下ネタを交えて語っている。

どのエッセイも楽しく読ませていただいたが、とくに印象に残ったのが、何とも美味しいロシアのお菓子「ハルヴァ」の話、そしてロシアへの観劇ツアーに参加してオペラに心底ほれ込んでしまったN氏の話だった。

米原さんの語りを聴いていると、全く違う文化圏の人々もそれぞれおかしみのようなものがあり、なんとなく意思疎通ができそうな気がしてくる。