栗本慎一郎『パンツをはいたサル』光文社、1981年4月
パンツをはいたサル―人間は、どういう生物か (カッパ・サイエンス)
- 作者: 栗本慎一郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1981/04
- メディア: 新書
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○1「人間は知恵ある生物か」
- 人間は知恵ある動物と考えられているが、大昔から殺し合いをしているし、ポトラッチという祝祭では、破壊することなどが行われてきた。
- 人はなぜ余分なものを生産するのか。それは、ある時点で破壊、蕩尽することを目的としているからである。山口昌男によれば、人間は日常と非日常の世界を有している。破壊や蕩尽は、非日常の行為である。
- カール・ポランニーは、人間の古代社会は、互酬または王家による再分配によって成り立っていたと考えている。
- 贈り物をされると自分には借りが残る。自分からも贈り物をすることにより借りを消す、これが交換の本質である。交換に利用される貨幣には、もともとケガレを浄化するという役割があった。
- もともとパンツに衣類としての意味はない。それは非日常的な性の場面で着脱されることに意味があるものである。
- 柳田国男は、日本社会における農耕民と非農耕民に着目している。異種の人間が存在する社会において、法律がないと社会が破たんしてしまう。
- 今西錦司は、棲み分け論を提起したが、これは人間の社会にも通じるところがある。