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タイムビジネス推進協議会『概説 e−文書法』NTT出版、2005年8月

概説 e-文書法

概説 e-文書法

■内容【個人的評価:★★★−−】

  • 民間企業において法的に保存が義務付けられている文書を、原則としてすべて電子文書での保存を認める「e−文書法」が平成17年4月に施行された。
  • e−文書法による電子文書の保存は、タイムスタンプによる正確な時刻管理が不可欠である。
  • タイムスタンプによる電子データの真実性の保証は、暗号技術に基礎を置くものであることから、常に最新の技術を反映する等、関係者による的確な対応によって利用者の信頼・安心感が醸成されることが重要である。

○序章「e−文書法とタイムビジネス」
○第一章「e−文書法とタイムビジネス概要」

  • e−文書法は以下の個別法からなる
    • ・民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術に利用に関する法律(通則法)
    • ・民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(整備法)
  • 通則法および整備法は、法令の規定により民間事業者等が行う書面の保存等に代えて電磁的記録による保存等を容認する法律であり、書面の保存等にかかる負担の軽減等を通じて国民の利便性の向上を図ること等を目的としている。通則法では電子保存の容認に関する共通事項等を定めており、整備法では通則法のみでは手当てが完全ではない場合等について個別法の一部改正により所要の規定整備を行っている。
  • e−文書法以前の法律(電帳法、IT書面一括法、商法改正法)でも電磁的記録に踏み込んでいたが、これらの改正においても、始めに書面で作成したもの、相手方から書面で受け取ったものをスキャナで読み込み、電磁的記録で保存することはできない等の点があり、これらの、なお書面で保存を行わなければならないものによって民間事業者等に多大な負担を強いているとの指摘が産業界から寄せられていた。
  • そしてe−Japan重点計画2004では、民間における文書・帳票の電子的な保存を、文書・帳票の内容、性格に応じた真実性・可視性等を確保しつつ、原則として容認する統一的な法律(e−文書法)の立案方針等を策定し、・・・法案制定を行っていくことが決定された。
  • 電磁的記録による保存を行えば、法律上の書面での保存等の義務を果たしたことになるように、みなし規定も設けている(ただし、電磁的記録が原本とはみなされない)。
  • 基本的には次に掲げる性質を持つ書面の保存等以外は通則法の対象となっている。
    • 1緊急時に即座に確認する必要のあるもの:船舶に備える安全手引き書等
    • 2現物性が極めて高いもの:免許証、許可証等
    • 3条約による制約があるもの
  • 保存のための要件は各府省の主務省令で定めることができるとされているが、おおむね以下の通りである。
    • 1情報を即座に読み取ることが可能であること(見読性)
    • 2改ざん、消失(記録媒体の経年劣化を含む)等の防止(完全性)
    • 3第三者による不正アクセスや情報漏洩等の防止(機密性)
    • 4大量の情報から必要な情報を効率的に選別できること(検索性)
  • 高度情報通信ネットワーク時代を迎え、政府はIT革命と知識創発型社会への移行、新しい国家基盤の整備を基本理念としたe-Japan 戦略を平成13年1月に策定した。
  • この具体的な方針は
    • 1世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成
    • 2教育及び学習の振興並びに人材の育成
    • 電子商取引の推進
    • 4行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進
    • 5高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保

○第二章「e−文書法について」

  • 民間事業者等とは、国や地方公共団体その他の公共団体およびそれらの関係機関は除かれる。
  • 本法は、第七条第一項で、地方公共団体に対してe−文書法の趣旨に則って、条例および規則により書面による保存をさせているものについて電子的な保存を認めるよう努力義務を課している。

○第三章「e−文書法で扱われている技術について」

■読後感
法の背景、構造、経緯など分かりやすい。
ビジネスのやり方が根本的に変わる要素を多く含んでいると思われた。
技術的側面についても言及しており、PFU(あのScanSnapの)社員による執筆であった。