野口悠紀雄『続「超」整理法・時間編』中公新書、1995年1月

■内容【個人的評価:★★★−−】
○序章「時間との戦い」

  • 適切な方法が見つからないものとして時間の管理がある。電話だけで一日が終わり、しかも連絡事項が片付いていないことがある。
  • これまで時間管理に関する本を多く読んだが、難しすぎるという欠点があった。
  • 時間管理法の本がほぼ例外なく忠告するのは、人生の目的を把握せよということである。しかし、なにが重要なのかをどうやって知ることができるのか、また雑事にも時間を割かなければならない現実をどうしたらよいのか。
  • タイムマネジメントには三つの要素がある。
    • 1.スケジューリング(持ち時間に仕事を割り振る)
    • 2.時間節約(無駄な時間をなくす)
    • 3.時間増大(使える時間を増やす)

○第一章「時間を見る技術」

  • スケジューリングの基本は自分の持ち時間となすべき仕事を「目に見える」形で把握することである
  • このため、次の道具を用いる
    • 1.スケジュール表(数週間先まで見渡せる)
    • 2.TODOリスト
    • 3.すぐやるメモ
  • 従来式の手帳には、いろいろと欠点があり、利用に当たり問題がある。電子よりは紙がよい。

○第二章「スケジューリングの技術」

  • 仕事の進め方には五つの原則がある。
    • 1.中断しない時間帯の確保
    • 2.案件発生時に少なくとも応急措置を講じる
    • 3.拙速を旨とする
    • 4.あるところまできたら意識的に寝かせる
    • 5.所要時間が不確実な案件を先に済ませる
  • スケジューリングのヒント
    • 1.去年はどうだったか確認する
    • 2.約束で締め切りを人為的に設定する
    • 3.自分のスケジュールを関係者に知らせる
    • 4.予定表は一つに限定する
  • 三カ月程度先の約束はしない

○第三章「連絡時間の無駄をなくす技術」

  • 電話には、仕事が中断される、知りたいことがすぐにはわからない、言った・言わない問題、言い忘れ・早呑み込みが起きるなど欠点が多い。
  • ファックスにはそのような問題が少ない。

○第四章「組織内コミュニケーション革命」

  • 組織内の簡単な連絡も、口頭から文書に切り替える余地が大きい。
  • 会議には整理すべきものも多い。文書に切り替えたい。

○第五章「押出しファイリングと時間管理」

○第六章「時間を増やす技術」

  • 自分の方が能率がよいと、部下に仕事を任せない上司は組織全体の能率を下げている。
  • 教えてもらう、メモを書いてもらうなどの方法で人の時間を分けてもらいたい。
  • 通勤時間等も有効に活用できる。

○第七章「人間の認知・記憶能力とタイム・マネジメント」

  • 人間が一瞬のうちに把握・識別できるのは最大で七個程度である。

○終章「他人の時間を大事にしよう」

  • 以下のルールを守りたい。
    • 1.定刻を守ろう
    • 2.予定を通告しよう
    • 3.待ち時間を知らせよう
    • 4.連絡先を知らせよう
    • 5.公衆電話は三分で切ろう
    • 6.懇談、挨拶をやめよう
    • 7.列車の席は別々にしよう