金子勇『高齢社会・何がどう変わるか』講談社現代新書、1995年1月
- 作者: 金子勇
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/01
- メディア: 新書
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○第一章「やってきた高齢社会」
- 20歳のときは健康も意識せず、徹夜も平気、食欲も旺盛、記憶力にも恵まれているが、30歳になるとその頑健さが徐々に失われ、40歳になると健康の維持に大きな関心を払うようになってしまう。
- 産業社会の基本構造は維持しながら高齢社会に軟着陸するためのノウハウを探求する必要がある。
- 明治期から1965年までは日本全体の高齢化率は5%程度であった。しかし、それから高齢化が進み、1994年には14.1%、2020年には27%程度になると見られている。
- 北欧モデルはすばらしく、日本は劣悪であるとする考え方が強いが、本当にそうか。公務員を増やすな、という議論がある内はとても北欧モデルなど志向できない。比較すること自体が社会科学的に見ておかしい。
- 社会との関連を持ち続け、やりがいのあることをすることが本人の健康につながる。
- 家族機能が弱まりつつある。在宅福祉、地域福祉をどう確立していくかが課題となる。
- ある程度の健康と経済的な安定が得られれば、人間の生活の質は仲間と一緒に経験することで得られる。
- 町内会は加入率が低くなってきてはいるが、いまだに問題解決の主体として多く活動している。ごみ問題、駐車問題などさまざまな場面で対応を行っている。
- 高齢者の職業参加を支援したり、まだまだ取得率の低い有給休暇をきちんと取得し、ワークシェアリングしていくことが大切である。
- これからの社会においては、高齢者が社会で身につけた業務達成能力を地域でどう活かしていけるかにかかっている。