メアリー・バフェット、デビッド・クラーク『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』日本経済新聞社、2002年5月
- 作者: メアリー・バフェット,デビッド・クラーク,井手正介,中熊靖和
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2002/05/20
- メディア: 単行本
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◎[基礎編]バフェットの銘柄選択
○第一章「市場からの永遠の贈り物ー短期指向と悪材料現象」
- 投資家の知的レベルがどんなに高くても、こと株式投資になると話は別だ。そこは動物的本能が支配する世界だということを、バフェットは見抜いたのだ。投信マネジャーがどのような信念の持ち主であろうと、最高の短期の値上がり益を追求するのが職を繋ぎ止めるための唯一の方法なのだ。
- もうひとつ、短期の相場にかける投資家の共通点としてバフェットが気づいたのは、保有株に関して悪材料を耳にすると必ず彼らが売ることだ。
- 近視眼の市場がいかに株価を低迷させようとも、必ずやそのぬかるみから力強く回復するだけの経済エンジンを備えた、少数の企業があるということだ。こうした力を持つ数少ない企業を探し出すために、バフェットは具体的な基準を編み出した。そして悪材料に見舞われてそれらの企業の株価が下落したとき、バフェットは憑かれたように買いまくったのである。「消費者独占力」の強い企業ーこれがバフェットの求めてやまない企業群である。
- 上手に買った株は一生手放す必要はない。
- 高収益を生む優良ブリッジ型の消費関連事業を、バフェットは次の4つのタイプに分類している。
- 1長期使用や保存が難しく、ブランド力を持ち、販売業者が扱わざるを得ないような製品を作る事業
- 2他の企業が事業を続けていくために、持続的に使用せざるを得ないコミュニケーション関連事業
- 3企業や個人が日常的に使用せざるを得ないサービスを提供する事業
- 4宝石・装飾品や家具などの分野で、事実上地域独占力を持っている小売り事業
- 1相場全体の調整や暴落
- 2全般的な景気後退
- 3個別企業の特殊要因
- 4企業の構造変化
○第八章「なぜ安値で買うことが大切なのか」
- 買値に関するバフェットの姿勢は単純明快である。それは可能な限り安値で買うことにつきる。
○第十章「買値こそ投資収益率の鍵を握る」
○第十一章「利益成長率から見た企業の実力」
○第十二章「国債利回り以下では投資と呼べない」
○第十三章「バフェットが高ROE企業を好む理由」
○第十四章「期待収益率の水準で投資を判断する」
○第十五章「コカ・コーラ株の期待収益率と実績」
○第十六章「疑似債券として見たときの株式」
○第十七章「利益成長率から期待成長率を求める」
○第十八章「自社株買い戻しが株主の富を増やす仕組み」
○第十九章「本業による利益成長か財務操作か」
○第二十章「経営陣の投資能力評価」
- 内部留保の有効活用でチェックすることができる。
○第二十三章「3つのケーススタディ」
■読後感
たしかに、この2011年時点で、ハイテク産業は斜陽産業に近い印象である。経済成長は労働力と資本と技術の掛け算で決まり、とりわけ技術は価値を産み出す源泉であるはずだが、現実は異なる。どれだけ効率的な生産を行ったとしても価格競争になってしまうと利益は産み出せない。
ブランドによる差異化や市場の独占が大きな鍵を握るようになっている。
ただし、バフェットの時代は右肩上がりのインフレ経済が基調だった。今も「持ち続ける」戦略が有効といえるのかどうか。