村上龍(2011)『無趣味のすすめ』幻冬舎文庫
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/04/12
- メディア: 文庫
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◇「書く」ことに満足しない
- 執筆が日常的行為と化すこと、書くことそのものに満足すること、いずれも予定調和に向かう要因となる。わたしにとっては忌避すべきことだ。(15ページ)
◇依存は人間関係を破たんに向かわせる
- 未婚の男女は増えていて、ドメスティックバイオレンスも主要な原因は「依存」であり、離婚も増えている。(18ページ)
◇読書を自己目的化せず、「どんな情報が必要か」を考える
- ピジネスシーンに限らず、学生でも小説家でも、どんな職業の人でも、読書をするかしないかが問題ではなく、どんな情報を自分は必要としているのかを自分で把握できるかどうかが問題である。(48ページ)
◇飾りだけの言葉は組織をダメにする
- ダメなリーダーに共通する特徴がある。訓辞や演説や会見において主語と述語がはっきりせず修飾語を多用するのもその一つで、最近だと、「命がけで」「しっかりと」「きちんと」「粛々と」などが流行っているようだ。(55ページ)
◇トラブルは謝るのではなく、まず原因究明する
- ビジネス上のトラブルが発生した場合、または何らかの疑いが生じたときは、ことの経緯と自分がどう関与したかを明らかにするのが先決だ。単に謝ればいいわけではない。(57ページ)
◇部下は「育てる」のではなく、ともに仕事をすることで「育つ」
- どうやって部下を一人前に育てるか、そんなことを真剣に悩んでいる上司がいることも信じられない。やるべき価値のある仕事を共にやっていれば何か特別なことをしなくても、つまりことさらに何かを教えなくても、人間は自然に成長する。(79ページ)
◇意思決定者は孤独な存在
- 責任とセットになった決定権を持つ人は、基本的に孤独な存在であり、事前に正確な情報や客観的な意見を必要とするが、決定は一人で下さなければならない。決定に至るまではどこまでも謙虚になり、決定する瞬間「天上天下唯我独尊」となる、それが成功者の普遍的な態度である。(121ページ)