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栗本慎一郎『都市は、発狂する』光文社、1983年6月

■内容【個人的評価:★★★−−】
○プロローグ

  • 都市は、ムラに象徴される秩序から押し出された人々がほっと胸をなでおろせる場所である。
  • ムラは文化の象徴である。都市はそこから逃げ出せる場所である。

○1「都市こそが、人間にとっての「自然」である」

○2「都市の光と闇」

  • アフリカのダホメという国には、男性の首都であるアボメに対して女性の首都としてのカナがある。男性原理はより日常的・俗的・内部的で、女性原理は非日常的・聖的・外部的である。アボメは政治の中心地であり、カナは商業の中心地である。
  • 物々交換からは商業は発生しない。商業は外部とのつながりの中で生まれる。
  • 江戸が光とすると日光は闇である。

○3「川と橋と、そして地下の都市」

  • ブダペストは、9世紀にマーチャーシュ大王によってブダに王宮が作られたが、19世紀後半に至るまでドナウ川の西岸と東岸はブダとペストという別の都市だった。これは光と闇に対応している。
  • ペストのさらに闇はトランシルバニアであり吸血鬼の伝説がある。
  • 鉄道の駅は、外とのつながりを行うものであり、闇の都市に置かれた。もとは東京駅は汐留にあったのである。上野も独特の雰囲気を持っている。
  • 闇の都市では精神が解放され、自由な発想の元で文学や芸術が花開いた。

○4「失われた都市空間」

  • プラハも西岸と東岸に分かれ、ブダペストと同じ構造を持っている。駅は中央駅、本駅などすべて東岸に集中している。

○5「虚栄の都市に鉄槌を!」

  • 福岡は、政治の中心である福岡と商業の中心である博多からなっている。
  • 都市は肥料の生産地であった。明治24年には、記録的台風が九州を襲ったが、その後、都市と周囲の農村ではくみ取りの費用をめぐって争いが起きた。福岡はすぐに農村の提案に従ったが、博多は従わず争いが続いた。

○6「都市を光らせるものはなにか」

  • 都市を流れる川は死を象徴している。

○7「魔空間・金沢と、さらなる日本の闇」

  • 金沢では、川ではなく用水路が光と闇を隔てている。