栗本慎一郎『都市は、発狂する』光文社、1983年6月
都市は、発狂する。―そして、ヒトはどこに行くのか (カッパ・サイエンス)
- 作者: 栗本慎一郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1983/06
- メディア: 新書
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○プロローグ
- 都市は、ムラに象徴される秩序から押し出された人々がほっと胸をなでおろせる場所である。
- ムラは文化の象徴である。都市はそこから逃げ出せる場所である。
○2「都市の光と闇」
- アフリカのダホメという国には、男性の首都であるアボメに対して女性の首都としてのカナがある。男性原理はより日常的・俗的・内部的で、女性原理は非日常的・聖的・外部的である。アボメは政治の中心地であり、カナは商業の中心地である。
- 物々交換からは商業は発生しない。商業は外部とのつながりの中で生まれる。
- 江戸が光とすると日光は闇である。
- 福岡は、政治の中心である福岡と商業の中心である博多からなっている。
- 都市は肥料の生産地であった。明治24年には、記録的台風が九州を襲ったが、その後、都市と周囲の農村ではくみ取りの費用をめぐって争いが起きた。福岡はすぐに農村の提案に従ったが、博多は従わず争いが続いた。
- 都市を流れる川は死を象徴している。
- 金沢では、川ではなく用水路が光と闇を隔てている。